今回からはビルの描き方編なのですが、本編に入る前にご説明したいことがあります。
動画でもご紹介している通り、作業の大まかな手順については以下の通りです。
- [3Dボックスツール]でアイソメトリック図の直方体を描く
- 矩形ツールで長方形を描き、タイルクローンで増やして窓明かりを作る
- パスエフェクトの[透視図/エンベロープ]でアイソメトリック図の壁面に合わせて窓明かりを変形させる
実は、当初の予定ではパスエフェクトの[透視図/エンベロープ]の他に、[エクステンション>パスの変形>透視図]の操作手順もご紹介するつもりだったのですが、動画の編集が長引きそうなのでカットいたしました。
動画内で場面が飛びますと言っている箇所はエクステンションの[パスの変形>透視図]を使ってビルを描いていた部分です。
出来上がったビルの見た目では区別がつきませんが、動画のタイトル部分に使用したビル群の多くはエクステンションの[パスの変形>透視図]を使って作成しています。
パスエフェクトの透視図変形とエクステンションの透視図変形の違いについて
パスエフェクトの[透視図/エンベロープ]とエクステンションの[パスの変形>透視図]、この二つの透視図変形の何が違うのかと言いますと、パスエフェクトは非破壊編集で、エクステンションの方は破壊編集です。
つまり、パスエフェクトは元のパスを残しながら見た目だけ変えているのに対し、エクステンションはパス自体が変形します。
エクステンションの[パスの変形>透視図]は見た目と元のパスの形が一致しているため処理も軽く、他のソフトウェアでSVGファイルを開いた時も見た目が変わりません。
パスエフェクトの[透視図/エンベロープ]を使うと、やり直しや調整がしやすいのがメリットですが、処理が多少重いのと、たまにバグがあるのがデメリットです。他のソフトウェアでSVGファイルを開く予定がある時は、予め[オブジェクトをパスへ]か[パスに戻す]で通常のパスに変換しておく必要があります。
なぜ同じような機能が二つあるのか疑問に思われるかも知れませんが、エクステンションの[パスの変形>透視図]の方が古くからある機能で、パスエフェクトの[透視図/エンベロープ]の方が新しく追加された機能です。
後から編集が容易にできる・手戻りの際も柔軟に対応できるという点では、多少のバグを承知の上でもパスエフェクトの[透視図/エンベロープ]を使うのがおすすめです。
今回は解説しなかったエクステンションの[パスの変形>透視図]ですが、こちらのサイトの説明が分かりやすいので、興味のある方はご覧ください。
InkscapeでDesign- 箱に図柄を配置する
文字の遠近法 – Inkscaper ~Inkscapeの使い方~
それでは、次回から3Dボックスツールでビルを描いていきましょう。大急ぎで準備しておりますので、もう少しだけお待ちいただけたらと思います。